早急な取り組みを

すでにこれだけリスクの高い物質が泡消火剤に含まれていることは分かっているが、消防本部では下記の課題があるという。

・代替するにしても、泡消火剤と同等の消火能力のある消火剤の選択肢が国内メーカーにないこと(要再確認)。

・既存の高発泡のストレーナーなど、泡消火剤を発泡する装備や器具が新しい消火剤に適合するかが分からないこと。

・現在、備蓄しているPFOS、PFOAなどを含む泡消火剤の廃棄処理コストが、新規に購入するのと同じくらいかかること。

・原則として、新しい泡消火剤が見つかるまでは、既存の泡消火剤が毒性があること、土壌汚染や健康被害リスクがあることを分かっていても、現場によっては人命救助や被害の拡大防止を優先して、やむを得ず、使用する選択肢を捨てきれないこと。

国際条約でも禁止された今、もし現場で既存の泡消火剤を使って、そのエリアが高濃度の有機フッ素化合物で汚染されたことが証明され、消防側の損害賠償、除染コストなども請求された場合、正当防衛や緊急避難行為として認められるのか?

アメリカでは、下記の泡消火剤が安全なものとして発表されているが、輸入コストや手続きなどが課題となっており、また、製造ライセンスの取得など、消火剤メーカーの早急な取り組みが国内の消防本部から期待されている。

■EPA・PFOA・PFOS規制についての包括的アクションプラン
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-acting-administrator-announces-first-ever-comprehensive-nationwide-pfas-action-1

■F-500 Encapsulator Agent
http://www.hct-europe.com/en/products/extinguishing-agent/

F-500 Encapsulator Agent Highlight Video from Hazard Control Technologies  (出典:Vimeo)

■有機フッ素化合物フリーの泡消火剤
https://ipen.org/sites/default/files/documents/IPEN_F3_Position_Paper_POPRC-14_12September2018d.pdf

■PFOA/PFOS Legacy Fire Fighting Foam
https://www.nrt.org/sites/98/files/Legacy%20Foam%20RRT%20Presentation.pdf

(了)


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
https://irescue.jp
info@irescue.jp