2019/06/13
しば副編集長のmi vista
「空振り」恐れず避難呼びかけを
西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の反省から、水害・土砂災害からの避難対策についても国は注力している。5月31日に政府の中央防災会議は防災基本計画を修正。住民の避難を促すため、新たな5段階の警戒レベルを導入した。警戒レベル4で避難、レベル3で高齢者など要配慮者は避難となる。消防庁では住民が自らの命は自らが守る意識を持ち、住民の避難のため行政が全力で支援することが必要と説明。さらには「水害・土砂災害の死者は0にできるのではないか」と強く訴え、情報伝達と計画の策定を行うよう呼びかけた。
避難勧告などの発表を行ったが、いわゆる「空振り」に終わり、災害救助法の適用を受けられず負担が生じた費用をカバーする保険制度についても消防庁から説明が行われた。保険の加入率は市と特別区で815団体中11.5パーセントにあたる94団体にとどまっており、ちゅうちょなく避難勧告などを出せるよう保険加入も促した。
この日は西日本豪雨で被災した広島市の松井一実市長が講演。民有地の土砂撤去や災害後の検証を実施し、早期避難のモデル地区設定のほか河川の様子を中継するカメラの設置支援などの取り組みを説明。最後に平時の備えに加え「発災時は狼少年になることを恐れず情報を発信すべき」と避難呼びかけの重要性を語った。
出席した山本順三・防災担当大臣は5段階の警戒レベルについて、「情報をわかりやすくした。レベル4での全員避難を周知徹底し、住民が自らの命を自ら守れるよう進めたい」と述べた。平時の備えであるBCPの充実と、警戒レベルや様々な情報伝達手段を用いていざという時にどう住民を動かすか、深く問いかけるセミナーとなった。
(了)
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