再考・日本の危機管理-いま何が課題か
-
感情的な安心の追求が逆にリスクを招く
徹底したPCR検査を求める世論がこれほど広まった背景には、感情論の「安心」を、科学的根拠を無視していたずらに求める風潮があります。そしてこの風潮に乗って徹底検査を進めた結果、かえって感染拡大リスクを増大させる――PCR検査の持つ性質を考えれば、けっして突飛な話ではありません。今回も、コロナ対策に欠如しているものを考察します。
2021/12/28
-
無差別徹底検査による隔離措置の是非
日本の新型コロナ対策を諸外国と比較して語る際に避けて通れないのがPCR検査です。徹底検査を行った諸外国が感染拡大に苦しみ、当初十分な検査ができずその後も必要分の検査に留めた日本の感染が穏やかだったのはなぜか。「他への感染抑制」「確定診断による適切な治療」という2つの目的から、PCR検査の有効性を検証します。
2021/12/14
-
「医療継続計画」が存在しなかった虚しさ
諸外国に比べ桁違いに穏やかな感染状態で、なぜ日本は医療崩壊が起きたのか。3.11以降、日本企業ではBCP意識が高まり、相応の努力が払われてきましたが、当の医療業界がどれほどの理解をもって取り組んできたかは検証の余地が多くあります。最悪の事態を想定しても、それに対する「医療継続計画」が存在しなければ意味はありません。医療業界のBCPを考察します。
2021/11/28
-
臨床医療は世界最高も弱すぎた危機体制
新型コロナウイルスが沈静化しています。つい先日までの混乱が忘れ去られたかのようですが、2年近くに及ぶ対応で経済・社会が大きな傷を負ったのは確実。失敗に学び次の危機に備えるため、日本のコロナ対策と危機管理は何が問題だったのか、世間の認識は正しかったのか、インフォデミックはなぜ起きたのか、独自の視点で総括します。
2021/11/14
-
過剰なコロナ対策が逆に健康を阻害する
コロナ禍により当たり前のことが当たり前でなくなっています。その一つが従業員の健康管理。もちろん各企業は手洗い、うがい、手指消毒などを促し適切な健康管理を奨励してきましたが、一方で恐怖を煽る連日の報道と先の見えない行動制限が個人の不安とストレスを増幅し健康を阻害するという矛盾した環境があることも否めません。従業員の健康管理に企業がどう関わるべきかを考えます。
2021/10/25
-
「情報」の正確な把握が最重要である
日本企業を取り巻くさまざまな環境変化に着目し、歴史的・文化的な背景もふまえながら、危機管理・リスク管理の課題を再発見していくシリーズ。いま置かれている状況を正しくつかみながら、次なる危機への備えを考えます。第1回は、総論として新型コロナ感染症とは何だったのか。最重要課題として浮き彫りになった『情報』の危うさ・不確かさについて論考します。
2021/10/12