連載
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重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律の概要
セキュリティ・クリアランスを法制化した「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」、いわゆるSC法が本年5月16日から施行されています。少し近寄り難い印象のある法律ですが、「重要経済安保情報」を取り扱う事業者にとっては、事業活動への影響が大きいものであるといえます。その概要を取り上げてご説明します。
2025/07/09
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災害時の人道アクセスを考える
ようこそ、ポッドキャストシリーズ「日本における人道支援のリスク」へ。ホストのジョエル・チャレンダーです。そして今回もチャールズ・マクジルトンさんをお迎えしています。今回は、人道アクセスの在り方を掘り下げます。あなたや、あなたが所属している組織が実際に被災地に立ち向かう方法を見ていきます。アクセスの交渉に関して避けるべき間違いにはどのようなものがあるのか、優先的に考えるには何が大切かを考えていきます。
2025/07/09
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第20回 地球環境大賞とカーボン・オフセット大賞の動向
地球環境大賞は、1992年、地球温暖化防止や循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の促進と、21世紀の社会システムの探求、地球環境に対する保全意識の向上を目的として創設されました。カーボン・オフセット大賞は、2011年、カーボン・オフセットの取り組みを通して、市場のグリーン化をリードする団体の地球温暖化対策から波及する複合的な社会貢献を奨励する目的で、設立されました。いずれも地球温暖化防止と低炭素社会の実現を推進する取り組みに対する大賞です。第19回に引き続き、地球環境大賞とカーボン・オフセット大賞の内容と動向を
2025/07/07
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第12回 社会生態システムにおけるリスクと企業活動
自然保全と社会の発展の両立の関係は単純ではない。人口増加によって、人の居住地域を拡大したり、食糧の確保のために農業や狩猟の生産量の増大が必要となる。そのため社会の境界は拡大し、動植物の生存地域と重なってゆく。この結果、自然の破壊や生態系への攪乱や生息生物の喪失の危機の可能性が起きる。また、この自然と社会との境界が曖昧になってゆくと獣害も発生し、野生動物の保護と獣害からの防衛といったトレードオフを深刻化させる。
2025/07/07
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広報不在の組織を救うAI活用術
日本では上場企業であっても専任の広報組織を持たない企業が少なくなく、広報部門を設置していても1名体制というケースも珍しくありません。危機対応時の戦略的コミュニケーションを考えていない企業が圧倒的です。本稿ではこうした状況に対し、危機が起きたとき生成AIを活用することで、限られた人員でも効果的、効率的にコミュニケーション力を高められる実践的なヒントを紹介していきます。
2025/07/04
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揺らぐ制御システムの信頼性高まるサイバー攻撃の蓋然性
工場やインフラ設備などの制御システムであるOT(Operational Technology)の信頼性が揺らいでいます。猛威を振るっているのがサイバー攻撃。ひとたび、被害を受けると被害は甚大です。なぜOT分野でのセキュリティ対策が急がれているのか、昨今の動向から解説します。
2025/07/01
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感情によるナッジ
毎週火曜日、朝9時から30分間、PRO会員向けに生配信している「中澤・木村が斬る今週のニュース解説」。7月1日に配信した、関東学院大学准教授の大友章司氏による「リスクに効く行動経済学」では、感情によるナッジについて解説いただきました。
2025/07/01
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正の関心度が嘘のリスクを減らす
嘘の看破を妨げる原因に無関心や感情論があります。うち無関心に関しては、養老孟司氏がベストセラー『バカの壁』で、人はどんなに情報を与えても関心度係数「a」が低ければ反応しないという真理を解いてみせました。実はこの係数をマイナスに拡張すると、感情論で嘘の拡散や真実の否定が起きることも説明できます。今回は関心度について考えます。
2025/06/30
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第1回 自動化がもたらす効率と潜在的リスク
今日の企業は、請求処理・顧客対応・データ分析・マーケティングなど、業務の多くをソフトウェア・アルゴリズム・人工知能(AI)によって自動化している。これにより業務は効率的かつ精密に、また大規模に処理可能となる一方で、必ずしも法的コンプライアンスを保証するものではない。とりわけ自動化が適切に管理されていない場合、善意で始めた技術導入が、規制当局による調査・集団訴訟・企業イメージの毀損など、重大な法的問題へとつながる可能性もある。
2025/06/30
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年に一度のお祭りから日常の備えへ
イベント型訓練だけでは記憶にも行動にも残りません。備えは日常に「しみ込む」仕組みから。 多くの組織では避難訓練が「年に一度のイベント」にとどまり、実際の備えには結びついていません。形式的な訓練を、実効性のある日常的な備えに変えるための視点と工夫を紹介します。
2025/06/30
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公益通報者保護法の一部を改正する法律の概要
昨年来の兵庫県政、兵庫県知事をめぐる一連の騒動は、公益通報に対する取扱いが不適法、不適切ではないかとされるところに端を発し、なかなか収束の気配をみせません。そうしたなか、6月4日に公益通報者保護法の一部を改正する法律が参議院本会議で可決され、11日に公布されました。改正の主なポイントについてご説明します。
2025/06/24
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第7回:証券会社をかたるフィッシングに注意!
実在する証券会社のウェブサイトを模倣したフィッシングサイトなどにより窃取したとみられるアカウント情報を悪用し、証券口座への不正アクセスや不正取引が急増しています。今回は「証券会社をかたるフィッシング」について、その手口と対処法を説明します。
2025/06/23
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梅雨期の猛暑――6月の気象災害――
この原稿を執筆中の6月20日現在、東・西日本の各地は猛暑に見舞われている。梅雨とは思えない暑さだ。いや、現時点でもう梅雨ではないのかもしれない。 例年この時期になると、熱中症への注意喚起が盛んに行われる。今年は職場における熱中症対策が事業者に義務づけられた上に、梅雨明け発表前の猛暑到来で、人々の熱中症への関心がいっそう高まっているように見える。本稿では、梅雨という現象を気温の側面から考察してみる。
2025/06/22
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第11回 ソーシャルリスク管理体制の構築
企業にとって、リスクは、リターンの源泉であり、戦略的方針に従って積極的にテイクすべき対象といえる。誰にも将来の具体的なシナリオを正確に予測することができない。そのため、企業価値を向上させるためには、具体的で明確な戦略の策定と遂行、その遂行の過程で発生する不確実性に起因する価値の変動(=リスク)に対して的確に対応していかなければならない。
2025/06/22
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「嘘も100回言えば真実になる」は本当か
「嘘も100回言えば真実になる」といわれますが、この例えはご存じのように、嘘でも繰り返し発信し続けると誰もが真実と感じるようになるというプロパガンダの手法のことです。この手法がまん延すると、嘘を真実にするよう後から事実をつくり上げる構造にもつながりかねません。今回から、嘘と真実をめぐる社会構造とその問題点を考察します。
2025/06/17
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他人事から自分事へ
この記事では、現場で身をもって学んだ教訓をもとに、実際の危機に立ち向かうための「生きた知恵」をお伝えします。机上の理論ではなく、失敗と成功の両方を経験した現場実務者として言えるのは、危機への備えとは「完璧なマニュアル」ではなく「考える現場」を作ることなのです。
2025/06/16
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企業の熱中症対策義務化で求められること
6月1日施行の改正労働安全規則で企業の熱中症対策が強化され、死亡に至らせないための適切な対策の実施が必要となりました。一方、社員も日頃から、自分自身が「熱中症かもしれない」という意識を持って業務にあたることが求められます。今回は、職場の熱中症対策を考えます。
2025/06/13
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炎上事例が300例!? 企業のリスク分析に最適
企業にネット炎上のお話をする時、過去の事例をチェックし、なぜ批判に晒されたかを分析するよう勧めしています。とはいえ、日々発生する炎上を追い続けるのは難しいこと。実務家向けに網羅的に事例を紹介する本はないかなと思っていたところ、先月、日経BP社から『ネット炎上事例300』という本が出版されました。今回は同書をご紹介します。
2025/06/11
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第三者委員会とは
「第三者委員会」という用語をひんぱんに見聞きするようになりました。報道内容などから何となくその立場や役割を理解されていても、正確なところは心許ない方も多いのではないでしょうか。今回は日本弁護士連合会が策定・公表している「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」をご説明するかたちで、第三者委員会とは何かを考えます。
2025/06/10
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第10回 ソーシャルリスク管理強化に必要な非財務要素の視点
今日、社会と企業が共に発展してゆくためには、環境、社会、経済の要素が相互に適切に関連し合って持続的に発展してゆくことの重要性が強く認識されるようになってきた。このような流れが形成された背景には、これまでのわれわれの社会・経済の発展が短期的な経済効率や経済的拡大に極端に偏ってきたためではないか。
2025/06/10
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第19回 環境コミュニケーション大賞とESGファイナンス・アワード・ジャパンの動向
第19回では、環境コミュニケーション大賞とESGファイナンス・アワード・ジャパンについて、目的と動向を紹介いたしま
2025/06/10
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職場の熱中症対策を義務づけ改正労働安全衛生規則が施行
職場で発生する熱中症による死亡災害を踏まえ、令和7年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行されました。事業主は、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、熱中症対策を職場で講じる義務を課せられました。
2025/06/03
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「またあの面倒な訓練か」が「やってよかった訓練」に変わるまで
私はこれまで複数の自然災害(熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、台風15号など)、テロ事案(パリ同時多発テロ、朝鮮半島緊張など)、感染症対応(MERSコロナウイルス、新型コロナウイルスなど)に関わってきました。これらの実体験を通じて得た教訓をお伝えしたいと思います。
2025/06/02
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「和」を形骸化させる「ことなかれ主義」
カスハラなどの行き過ぎた言動・行動は、確かに増えているのかもしれません。しかし、これらをはなから相手にしない、すべて受け流せばよいという風潮も疑問です。一見大人の対応に見えても、それがまん延すれば今度は建設的意見の排除を招き、話し合いの形骸化を助長して、問題解決を遠ざけます。今回は「ことなかれ主義」の危険性を考えます。
2025/05/30
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放牧牛が遭遇した低温――5月の気象災害――
1981(昭和56)年の5月下旬、北海道宗谷地方の広大な牧場では、牛の放牧飼育のシーズンがすでに始まっていた。28日朝、気圧の谷の接近に伴い雨が降り始めたが、降り方は特に強くはなく、弱い東寄りの風が吹き、気温は摂氏5~7度であった。28日午後から気温が下がり始め、翌29日の朝以降も下がり続け、昼前からは降水に雪が混じり始めた。
2025/05/23